「函館学2019」第2回講座を開催しました。

今年度,第2回目のキャンパス・コンソーシアム函館の合同公開講座「函館学2019」を,7月20日(土)に函館工業高等専門学校で開催しました。

「高付加価値新素材に生まれ変わるイカ墨」というテーマで,函館工業高等専門学校の上野孝教授に講義をしていただきました。

 

函館のイカ加工業社は,毎年約140トンのイカ墨袋を廃棄物として捨てているが,このイカ墨の黒い色素は,食べられる,肌につけても安全である天然の黒い色素で,顔料や化粧品メーカーから強い関心があった。イカ墨を高純度分離精製(300nm以下)する技術を開発することで,インクジェットでの使用が可能となり,

 

・インクジェット用可食性黒色顔料への応用

インクジェットで,コーヒーのドリップパックへの切取線印刷,卵の殻への賞味期限印刷が可能となった。

・紫外線吸収レンズへの応用

イカ墨には紫外線を吸収する特性があり,今まで紫外線吸収剤として有害なクロムを使用していたが,無害な紫外線吸収レンズ(太陽観察用レンズ)や溶接ゴーグルが可能となった。

・化粧品用顔料

イカ墨色素粒子のカチオン化(陽イオン化)する技術を開発したことで,無害なヘアカラー,アイラインが可能となった。

・次世代太陽電池

イカ墨色素を用いた色素増感太陽電池により高温,高真空での製造プロセスからスクリーン印刷等の製造プロセスにすることで,発電コストを大幅に下げることを可能にする技術を開発中。

 

など,世界初の技術をビデオを使い,詳しく丁寧にお話をしてくださいました。参加した約50名の受講者は,最後まで,熱心に聞き入り,時間をオーバーしての多数の質問があり,受講者の関心が高い講座となっていました。

「函館学2019」は,本年度3回目の講座の受講者募集中です。キャンパス・コンソーシアム函館主催の講座の他,各加盟校主催の講座もありますので,ぜひご来場ください。詳しくはこちら