自分らしさってなんだ?函館大学 書道同好会に突撃!

函館

2019/11/12

こんにちは。近頃は山の大半が赤く染まって来ましたね。
今回は函館大学 書道同好会へ取材に行ってきました!

きっかけは9月に函館で催されたサブカルチャーのイベントである函フェス。そのオープニングで、設立からまだ2年目の函館大学 書道同好会が書道パフォーマンスを行ったと聞いて、未知の書道ワールドを覗いてきました。

突撃!函館大学書道同好会!

快く出迎えて迎えてくれたのは、書道同好会 会長の濱津真紀子さんです!

函館大学 書道同好会について教えてください

現在は1年生1人、2年生4人、3年生1人で活動しています。活動時間は毎週金曜日16時~18時。話しながら、お菓子食べながら、音楽をかけながら…切磋琢磨!というよりは支え合って活動しています。
主な活動内容は「法帖(ほうじょう)」の「臨書(りんしょ)」ですね。

法帖とは書道の手本となる書をまとめた本で、臨書は法帖の形や特徴を捉えて書くことなんだそうです。書道の時間に教科書を真似て書くような感じですね。

濱津さん曰く、臨書を繰り返した上で、自分なりに形や特徴を捉えて個性を出し、作品にしていく。自分の呼吸やリズムを作品に載せていく。法帖を基盤に置いたうえで自分らしさを日々追求しているのだそうです。

函館大学 書道同好会は、当時1年生のだった濱津さんが立ち上げて今年で2年目。ほとんどが初心者の中、友人たちと力を合わせてゼロからスタートしました。

書道は個性を出せる場所

どうして大学で書道を?

小学校1年生から習字をしていて、高校から書道を始めました。人が個性を出せる場というのはなかなかありません。それを作品として”私はこういう人です”という個性を出せる場所が、私にとっての書道なんです。

大学は函館が好きなので市内の函館大学に進学しました。でも入学当時は書く場所がなくて。函館大学では必要な人数を集めて申請すれば同好会が作れるので、友人たちの力を借りて、大学の中に自分に必要な場所を作ることができました。

そもそも書道とは?習字と何が違うの?

書道は大きなくくり。
「書道」は”芸術”で、その中にある”きれいな字”の分野が「習字」だと思っています。

字がうまくなくても書道はできる?

字がうまくても、うまくなくてもできます。字がうまくなくて不器用な人の方が、「近代詩文書」が成功する可能性があります。

近代詩文は、現代文や詩歌を題材に表現された書道作品を指します。漢字とかなの調和が特徴です。

必ずしも字がうまいから成功する世界ではないのです。

上手い下手というより、書道が目指すのはずっと見ていても飽きない字。それこそ一生見ていられるような……それが書道の目標だと思っています。下手だとしてもそれが、一生見ても飽きないものならそれは良い作品です。

書く文字の決め方は?

近代史文書からや好きな歌詞から、自分で作ったりもします。漢字を見て書きたいなって思った時も。この字をどうやって生かせるか。日々研究。他の人の作品を見たり、他の人が書いている所を見たり、様々なところから吸収します。

絵からも、絵にどうしてこの色を使っているのか?どうしてここに余白があるのか?そういった点では同じ芸術である書道に通じるところがあります。

函フェスと書道パフォーマンス

冒頭にも書いた、サブカルチャーイベント函フェス。編集部が函館大学の書道同好会に興味を持ったのもこのタイミングでした。

どうして函フェスに?

はじめは私の所属している函館大学ビジネス企画研究会に、函フェスで何かやらないかと声がかかったんです。それで研究会で企画を考えていたのですが、その時書道同好会に白羽の矢が立って。自分たちにも良い機会だと思い引き受けさせていただきました。活動のアピールにもなりますし、一度は大学生の間に書道パフォーマンスをやりたいと思っていたので。

函館は書道が盛んで函館の高校でも書道パフォーマンスが盛んなんだそうです。濱津さん自身高校時代は数多くの書道パフォーマンスに参加しており「高校生に負けてられない、やってやろうじゃん!」そんな気持ちもあったと話してくれました。

書道パフォーマンスで苦労したことは?

作品を作るのが大変でした。切り貼りして作った4m×6mの紙に6人で交代で書いていく大作業。やったことがあるのは自分だけ。教えるのも自分だけ。皆でどう挑むかが大変でした。

書道パフォーマンスではなんと書いた?

大きい字で函フェス。その下の字は口頭で言うと恥ずかしいんですけど…「推しが尊い」「萌え」「わかりみが深い」「二次元」「かわいいは正義」「アゲ」「推しは推せるときに推せ」…(笑)普通は歌の歌詞とかを書くんです。でも、函フェスはサブカルチャーのイベントだったので。部員皆で一つずつ出して書にしました。

最後に

私のような一般人に作品のどこを見て欲しい?

インスピレーションですね(即答)
作品の展示会で書道のことがわからないとおっしゃる方がいます。でも、私たちが求めているのは難しい感想じゃない。「何書いてるかわかんないけどいいね。」とか、「よくわからないけどうまいと思ったんだよね。」っていう第一印象のその言葉がが嬉しいです。専門的なことは書の先生に聞けば良いので、一般の方からは「君の書がすきだ!」とか、「ぱっと見の印象でなぜか惹かれた!」とかそういった言葉を求めてやっていると思います。

端的に言ってしまえば、絵と同じ感じで書を見てほしい。絵だと好き嫌いがあるのに、書道にはそれ以前の壁があると感じることはあります。絵画の「この色合い好き!」みたいな感じで、書に色はないけど同じ芸術作品のように見て欲しいと思います。

濱津さんらしさとは?

ここまで散々自分らしさと言っておいてなんですが、まだ見つけ出してる途中です。一点に絞り込んじゃダメな気がしていて、色んなものを書いて、常に自分らしさが出せるようなものを探しています。自分のリズムが出せる、明るい作品を書いていきたいです。書にも暗い・明るいがあるんですよ。そして、暗・明にも良い悪いがあって、私は今、悪い感じの「暗」だと自分では感じているので、「明」の作品を作っていきたいですね。

読者へひと言

書道はどこでも・誰でもできます。それこそ普段は不器用な人が成功したりするような世界。努力すればそれが実ります。なんかやりたいなーって思ったらやってみてほしい。やれば楽しい。いつから始めても大丈夫。大人になってからでもできますよ。

 

 

以上、函館大学書道同好会への突撃取材でした!